top of page

​ITシステム化

製造業のシステム化を実施するには、どのようなシステムを組み合わせて管理するか?
このことを自社で事前に把握しておかなければ上手くいきません。
よくある業者頼りでは、プロジェクトを組んでITシステム化により業務改善を実施する時に思ってることや考えていることが、「IT業者によく伝わらない」、「理解が得られない」などで大手製造業でもプロジェクトが中断または失敗した事例が有ります。
​ITコンサルタントを使い、社内の考えを事前にまとめるなどしているとスムーズに進むことがあります。

​先ずは管理領域の考え方をよく理解して整理する必要があります。
​標準規格であるANISI/ISA-95(IEC/ISO 62264)を理解さえできれば、将来的な間違いが発生しいにくくなります。
ITシステム化.jpg
レベル4

経営とロジスティックス:ERPの領域です。
ERPは、企業会計を実施しますので、現場からの正確なデータが上がってこない限り、正常に管理できません。
会計データは結果データなので、主に財務管理などになります。
ロジスティックは在庫と物流等の資材と製品がありますが、資材購買から始まりますのでおカネに関係します。
製造業の経営者が一番知りたい会計の部分です。
これらは、ERPシステムや財務会計システムと言われるシステムで統合管理します。
ERPや財務会計システムは、財務会計に特化したシステムなので、生産現場の管理は最低限の管理しか出来ません。
現場管理は得意領域でないために、もしカスタマイズしても多大な費用と時間と打ち合わせなどの労力がかかります。


レベル3

この部分がMOM/MESと言われる生産実行システムです。
生産計画、生産指示、MRP計算、購買発注などデータ管理や運用を行います。
製造業の現場では、事務方になり生産現場の接点です。

MOM/MESからインターフェースでレベル4のERPなどの会計パッケージに連動すれば、もともとの管理領域が違いますので、奥の深い生産現場に影響なくシステムを拡張していけます。


レベル2、レベル1

実際の製造現場の管理するゾーンです。
レベル2は、設備関連などIoTに関係します。
レベル1は、人手による作業などです。
つまり、レベル3、レベル2、レベル1は、生産現場になります。
よくある生産管理システムなどの領域です。
しかし、生産管理システムでは業種や生産方法によりシステムパッケージを選ばないと上手くいきません。
多くの生産管理パッケージは組立生産を基本にしていたり、プロセス業種(原料系)に向き不向きのパッケージがあります。
特に組立系のパッケージは加工関連の管理に弱いなどあり、生産管理システム導入に失敗した製造業も多々あります。

一般的に設備関係の業者はITを苦手とし、一方のIT業者は、設備関係や現場の事情が分からないことが多いです。
​両方を会話できる者が、顧客側社内に居ないとプロジェクトが上手く進行しません。


ITシステムパッケージの選定について

よくあるERPや生産管理システムはIT業者の多くの営業は業務のお役様の内容を理解してませんので、売るために何でも出来るようなカタログや説明をするところが多くあります。
これは、まったくのデタラメではありません。ただ知らないだけなのです。
理論上は何でも出来ることには間違いはないのですが、機能不足やシステムのベースになる設計思想が違うことが原因で、最後には、業務をITシステムのパッケージに合わせてくださいと言われることもあります。
製造現場は長年積み重ねており、そんなことは出来ないのが一般ですが、そのことすら最近のIT業者で理解しているところは少ないです。もし希望通りでなくても工数をかけており、挿入過程で段階検収を重ねて、必要に応じてカスタマイズもして多額な費用を支払いますので、出来上がれば返品も出来ず最終的には不満があっても使い続けるしかなくなります。


これら原因は、お客側の社内でシステムをよく理解していないか、パッケージ選定があまいか、社内の改善の全体像を理解できている人が居ないなどで、理想の話ばかり耳にすることが多いです。
このため、ITシステム会社に依存する形になり、気が付けば何かヘンだと感じると思います。

よくあるお医者さんの仕事と共通点は、ITシステム会社にも得意不得意の領域が有ります。
そして、使用するパッケージシステムは、薬と同じで組み合わせや相性などをみないと成立しません。
​これらを理解できる専門的な人材が、お客様側に必要になります。

また製造業は業種・生産形態が広くたくさん有り、全てを得意とする人は居ません。
製造会社・製造販売会社では業務の運営の仕方が変わることがあります。
特に製造販売会社では、PLM(プロダクトライフサイクルマネージメント)が重要になったりします。
つまり製品企画から設計→生産→販売→アフター→廃棄などの流れから、次の新しい製品企画に進むなど考慮します。

多くの生産拠点や販売網を持ったところでは、PSI管理(需給予測)が必要になります。
一般的に需要があるから生産するといった考え方になりますので、製品を作るための材料がいくつ有り、製品の在庫がいくつ有るなどから資材購買→生産へと業務が展開される計画立案でリスク回避や在庫調整を行います。
これらに関する物流や在庫はSCM(サプライチエーン・マネジメント)のシステムが有るとより最適化されます。

注意点

製造業では、部分最適化を繰り消し続けると全体最適化が難しくなります。
つまり完全縦割りの管理になり部門間横断のトレードオフの現象が出ます。
このために全体最適化が難しくなるのです。
もし、将来に向けて会社を改善するのであれば、全体像を捉えて、それに合った啓蒙教育を社内で実施して、パッケージの組み合わせを考えると成功につなります。

製造業は奥が深いことをIT業者もお客側の両社が同じ物差しで理解してないと、上手くいかなくなります。
この問題を解消するには、顧客側がITシステムの知識とIT業者が製造業の知識を併せ持つ専門の人から教育を受けていれば、顧客とITシステムベンダーが有る程度の物差しが揃いますので、顧客側要望がIT業者によく伝わり、会話やミーティング時のGAPが回避できることもあります。

・製造業システム教育
・情報システム部支援
・プロジェクト支援

​社内に人材が居ない場合は、上記専門家に依頼することで、ムダな時間と労力やリスクが回避できます。
​顧客側は必ず「IT化の目的が何か?」を考えておくビジョンを持つことが重要になります。






 

© 2023 by JPSeizo

bottom of page